生活習慣の「修正」で、血圧は下げられる!

2019.06.10

和歌山県立医科大学名誉教授・角谷リハビリテーション病院院長
有田幹雄 先生

血圧は日々の生活習慣の積み重ねの結果

血圧に関係する要因はさまざまで、神経性・心拍出量・内分泌因子・運動・食塩などの食事・性・加齢・人種などがモザイクのように複雑に絡み合っています。

私たち自身では変えられない要因もありますが、食生活や運動といった生活習慣は今からでもコントロールが可能です。

特に薄い塩味を覚えることは効果的です。現在実施中の和歌山ヘルスプロモーション研究で、(1)塩分摂取量の食事指導を行った食事群、(2)運動指導を行った運動群、(3)ITによる血圧測定を行ったコントロール群を対象に3か月間の調査を行ったところ、3群とも血圧は有意に低下しました。しかし、試験終了後1年後に同様に血圧測定すると、(1)の食事群のみ血圧の低下を維持していました。これは、減塩料理に一度慣れると、その食習慣を維持することができ、血圧低下が続くことを示しています。

有田幹雄先生調査データより作図

今すぐ知りたい!高血圧を改善する生活習慣修正の6つのコツ

高血圧の予防や改善に役立つ生活習慣のコツをご紹介します。一度に実行するのは難しいという場合は、できることから一つずつ取り入れましょう。

コツ1.まずは減塩!目標は1日6g未満

減塩に取り組んでいる国や地域では、高血圧の明らかな効果が認められています。

1日あたり6.0gの塩分摂取量は、18歳以上の目標値である男性8.0g、女性は7.0g未満(*1)よりも少ない量ですが、すでに高血圧の人は、さらなる減塩をめざしましょう。

  • * 1 出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」

コツ2.野菜や果物を積極的に!

野菜や果物に多く含まれるカリウムには、塩分の排出を助ける働きがあります。毎日の食事に小鉢料理やサラダをプラス、食後のデザートはお菓子から果物にするなど、少しずつ実行してください。ただし、重篤な腎障害を伴う人や、食事指導を受けている人は、この限りではありません。

コツ3.BMI25をめざして適正体重に

肥満気味の人は、適正体重の人に比べ、高血圧になりやすい傾向があります。また、心臓から送られる血液の量は体重に応じて増加するため、血管により圧力がかかります。BMI25未満を目安に、適正体重に戻しましょう。

BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略で、国際的に用いられている肥満度の指標。成人の場合、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で判定される。体重(kg) ÷ 身長(m)÷身長(m)と計算しても求めることができる。体重60kg、身長160cmの人のBMIは約23となる

コツ4.せめてあと20分多く歩く!

心血管病ではない高血圧の場合なら、有酸素運動を中心に約30分、体を動かすのが理想的。「いきなり30分も運動するのは無理」という人は、歩く時間を増やしましょう。

コツ5.お酒の量はエタノール量を意識

飲酒の習慣は、高血圧の原因になることがわかっています。男性は20-30mL、女性なら10-20mLのエタノール量を目安に楽しみましょう。

<1日のお酒の適量(純アルコール量20ml)>

コツ6.禁煙して高血圧以外の病気も予防

タバコは急激に血圧を上昇させるだけでなく、仮面高血圧、腎血管性高血圧、悪性高血圧の要因になることがわかっています。また、家族や周囲の人の受動喫煙を防ぐためにも、禁煙は大切です。

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